2017年7月10日月曜日

二重課税回避条約関連の書類を提出する方法(記入例付き):フィンランドの場合



*これはあくまでも私の場合ですし、私が考える制度の理解をそのまま記しています。なので勘違いしている部分も多々あると思いますので、ご自分で同様の届け出をする際にはよく調べ、関連する機関などに問い合わせしてから行いましょう。*

フィンランドと日本の間には二重課税の回避および脱税防止のための条約が結ばれています。私はフィンランドに住んでいますが、フリーランスとして日本の会社に報酬をもらっています。居住地がフィンランドなのでフィンランド政府に税金を払います。

日本では、日本に住所がある場合、所得税が源泉徴収されます。日本に住んでいる場合は便利なのですが、フィンランドに住所がある場合、フィンランドに所得税を納めなければいけません。何もしない場合、日本でも所得税を納めて、フィンランドでも所得税を納めないといけない、二重課税状態になってしまいます。

しかし幸いなことに、フィンランドと日本の間には二重課税を防ぐための条約が存在し、書類を提出すれば日本側で源泉徴収されなくなります。




まず、日本に住所が無い状態=非居住者ではなければいけません。住所のある市で移転届けを出しましょう。これを行うと、国民健康保険には入れない状態になり(日本に住所を戻せば入れるようになる)、国民年金は選択式になります。そして市民税は払わなくても良くなる・・・はずなのですが、どうやら制度上、1月1日以降に住所を抜いた場合は、その年内分の税は払わないといけないようです。(でもそうすると、二重課税となるので、あとでフィンランド税務局にこれこれしかじかでこの年この額の住民税を日本に払った、と証明することで還付があるかもしれません)

参考:国税庁 No.2885 非居住者等に対する源泉徴収のしくみ


その上で、日本であなたにお金を払っている会社に書類を提出しなければいけません。

参考:国税庁 源泉所得税(租税条約等)関係

私の場合は「租税条約に関する届出」という書類を準備しました。

参考:[手続名]租税条約に関する届出(自由職業者・芸能人・運動家・短期滞在者の報酬・給与に対する所得税及び復興特別所得税の免除)

でもこの書類を送る前に、現地の日本大使館で、現地に在住するという証明書「在留証明」を発行してもらわなければいけません。これには、申請書の他、パスポートなどの写真付き身分証明書、そして現在の住所に住んでいることの裏付けとなるような書類(例えば公的機関がこの住所宛に発行した手紙とか)が必要となります。

参考:在フィンランド日本大使館:在留証明

そして「租税条約に関する届出書」に記入し、会社用にコピーも作成して提出しました。

あくまでも私の場合は、になりますが、「租税条約に関する届出書」では私は以下のように記入しています:

・「個人番号(有する場合のみ記入)」にはフィンランドの私の個人番号を記入
・「日本国内における居所」は住所がないので記入せず
・(国籍)には日本と記しましたが、、それに続く(入国年月日)、(在留期間)、(在留資格)の欄は何のことだかわからなかったので記入していません。
・次の「下記「4」の報酬・給与につき移住者として課税される国および納税地(*6)」の欄には、フィンランドで私が納税している納税地として「Helsinki, Finland」、そしてVero(フィンランドの税務署)から与えられている納税者番号を記載しました。
・次の「自由職業者、芸能人または運動家の場合(短期滞在者に該当するものを除く。):日本国内の恒久的施設または固定的施設の状況」

参考までに画像も。空欄にしている「短期滞在者の場合:以前に日本に滞在したことの有無および在留~」は日本国外の人向けの質問かと思われたので回答していません。


参考:

Vero Elimination of double taxation — receipts of foreign-sourced income by Finnish-resident individuals

houko.com 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィンランド共和国との間の条約

FINLEX Asetus Asetus Japanin kanssa tulon kaksinkertaisen verotuksen ja veron kiertämisen estämiseksi tehdyn sopimuksen voimaansaattamisesta.


(abcxyz)

2017年7月1日土曜日

ヘルシンキ中央駅広場、何も悪いことしてないのに難民デモも撤去



先日、ヘルシンキ中央駅広場から反移民・ナショナリスト団体Suomi Ensinのデモテントが撤去されました。しかし、同じく中央駅広場にあった難民らによる「Oikeus Elää」(生きる権利)デモのテントも本日撤去されてしまいました。

難民らによるデモテントはデモのルールに従っており、特に何か悪いことをしたために撤去されたというわけではなく、Suomi Ensinによる報復の可能性などがあるため、警察が安全を考慮して撤去を指示したようです。


[via YLE]

(abcxyz)

2017年6月30日金曜日

スウェーデンで母語を話すことを禁止された子供たち。映画『サーミの血』が描くのは差別の歴史か、現状か。



スウェーデンでフィンランド語を研究する研究者と活動家によれば、スウェーデンの学校でのフィンランド語の使用が制限されているとのこと。YLEニュースによれば、スウェーデンの新聞Dagens Nyheterに掲載された研究者と活動家らによる論説で、フィンランド語を母語とする生徒たちがフィンランド語で会話することが禁止されたり、フィンランド語話者である学校の先生同士がカフェテリアでフィンランド語を話すことまで禁止されたりしているという現状が批判されています。

スウェーデンでのフィンランド語は2000年から公式少数言語という立場にあり、50以上の都市で要請があれば幼児教育と高齢ケアが保証されています。現在スウェーデンに住むフィンランドにルーツを持つ人は70万人いるとのこと。法律の面ではスウェーデンでもフィンランド語で教育を受けさせることができ、そのためスウェーデンの学校にはフィンランド語を話す教師がいるのです(なお、フィンランドでも同様に移民としてフィンランドに来た人々に対し、同じ言語を母語とする子供が3人以上同じ学校にいれば、その言語を「母語」としての言語の授業を行うことが可能です)。

しかし、フィンランド語での授業を一歩出ると教師も子供たちもフィンランド語で話してはいけないというのは異様ですよね。

スウェーデンのフィンランド人教師たちの組合で行われた調査によれば、フィンランド語教師に対するこういった扱いはスウェーデン全国で起きているそう。また、フィンランド語のメディアでの露出も減らされている傾向があり、例として、図書館でのフィンランド語の本が減らされたり、図書館でフィンランド語話者によるフィンランド語での詩の朗読を行うと言った、他の言語グループでは許されているイベントも拒否される傾向が近年あるよう。

今回の報道以前から職場内でのフィンランド語話者に対してこのような差別を受ける話は聞かれました。この差別の根底には、スウェーデンとフィンランドとの間の歴史が関わっているでしょう。フィンランドは昔はスウェーデン王国の支配下にあり、そのために人の行き来もありましたし、70年代のフィンランドからの移民もあるでしょう。70年代失業率が高かった頃、何万人ものフィンランド人がスウェーデンに渡りました。そうしてスウェーデンに渡ったフィンランド人たちは主に単純労働につき、軽蔑されていました。

しかし、大人同士の職場での差別はさておき、子供が母語でしゃべれないというのはフィンランドからすれば時代遅れの差別です。

フィンランドでの公式少数言語はサーミ語、ロマ語、手話であり、これらの言語を母語として授業を受ける権利があります。また、フィンランドには、スウェーデン語系フィンランド人という、スウェーデン語を母語とする人たちも人口の5%存在し、スウェーデン語はフィンランドの国語となっています(これに関する詳細は『ある日フィンランドで、北極圏に行ってきた。―ラップランドの話とフィンランドから見たスウェーデン』に記しています)。

しかし、現在のスウェーデンで見られるような差別がフィンランドにも無かったかと言えばそうではありません。60年代までフィンランドではサーミ人たちが同じような扱いを受けていました。

サーミ人はノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアにまたがるラップランドに住む、ヨーロッパ唯一の先住民族です。しかし、トナカイの放牧をして暮らす彼らは原始的に見られ、差別されてきました。

昔フィンランドでは、学校でサーミ語をしゃべってはいけなかったのです。ラップランドの人口密度のせいで多くのサーミ人たちは寄宿学校に通っていました。なのでサーミ語が話せるのは家に帰る週末だけ。平日にサーミ語を話せば殴られるような環境で育ち、また学校の外でもサーミ人であるというだけで差別される存在でした。とはいえそれは60年代までの話。今ではサーミ人や文化に対する知識こそ足りていないものの、そこまで明確な差別はされていない状況ですし、国の対策としてサーミ語で基礎教育が学べる学校があります。それでも現在の高齢世代のサーミ人たちはこれがトラウマになり、子供にサーミ語で話してくれなかったり、サーミ語を軽視するといった態度を持つ者もいるようです。

そんな中でスウェーデンの学校で、フィンランド語を母語とする子供たちが母語で友達と会話をすることが許されない、大人が職場で休憩時間中に好きな言語を話すこともできない状況は、時代遅れの差別的な光景にしか見えません。

まあ、日本人だって同じようにアイヌ人を差別し、アイヌ語を殺した訳ですけどね。



というところで投稿を終えるつもりだったのですが、スウェーデン・ノルウェー・デンマーク合作映画『サーミの血』の日本版予告編を目にしたのでこれについても書かないと。

この映画は1930年代、スウェーデン北部に暮らすサーミ人たちの受けてきた差別、そして学校で母語を禁止され、母語を話すことで体罰を受ける様子、そしてサーミであることを隠して生きようとする様子などが予告編では描かれています。この作品を描くアマンダ・シェーネル監督もサーミ系。





動画はUPLINKより。ちなみにこのYouTubeにアップされている予告編はフィンランドからは見ることができないのでeiga.comで見ましょう(なおeiga.comでは「北欧の少数民族サーミ人」とされていますが、間違ってはいないものの、より正しい認識としては「原住民」もしくは、サーミ人も元をたどれば現在の場所まで移動してきたので「先住民」)。

『サーミの血』日本語サイトでは「北欧スウェーデン、知られざる迫害の歴史」などと書かれていますが、果たしてこれは「歴史」なのでしょうか?それとも映画で描かれるような体罰こそ無いにせよ、これはスウェーデンの現状とどう違うのでしょうか?ある意味この映画は現在のスウェーデンにも残る言語/民族の迫害を、歴史を交えて描いた作品とも言えるのかもしれません。



トップ画像はラップランドに行ったときに撮影したサーミ人により放牧されるトナカイたちの写真。詳細は『ある日フィンランドで、北極圏に行ってきた。―ラップランドの話とフィンランドから見たスウェーデン』で読める。





[via YLE]

(abcxyz)

2017年6月29日木曜日

ヘルシンキ中央駅広場の反移民・ナショナリスト団体のテントが撤去されてた


ずいぶん前からヘルシンキ中央駅横の「Rautatientori」(中央駅広場、フィンランド国民文学の父ともされるAlexis Kiviの彫刻がある広場)には二つのテントがありました。


Ateneum美術館に近い側には難民によるフィンランドの難民対策の厳しさに対し異議申し立てデモのテントが、そしてAlekis Kiviの彫刻近くには「Suomi Ensin」(英語で言ったら「フィンランド・ファースト」)というナショナリスト団体による反移民抗議テントがあったのです。難民テントはRautatientoriに来る前にはKiasma近代美術館の前にあったものです。この難民によるデモのテントは、難民申請が拒否された人々によるもので、主に審査に異議申し立てをしている期間の拠り所となっているようです。警察に申請して行う正式なデモ扱いなためここで寝ることはできませんが(寝泊まりするとキャンプという扱いになってしまう)、炊き出しなどが行われています。Suomi Ensinのテントもまた、そこでコーヒーを飲んだりしている人がよく見られました。



さて、そんな二つのテントですが、Suomi Ensinのテントは警察により退去命令が出され、今週月曜取り払われることになりました。その理由は、Suomi Ensinの支持者たちにより通りがかった人が襲われる事件が多発したため。YLEがヘルシンキ警察のJari Taponen警部の話として伝えるところによれば、これまでにも通りがかった人がSuomi Ensin支持者たちに暴行を受けたケースがあったものの「週末にかけて抗議者たちが傍観者に暴行を加える事件が3件起きた」とのこと。ほかにも彼らが違法行為をしたことも理由であるとしています。




テント取り払いの現場には警察も見物人や当事者たちとみられる人々が多数いました。また、そこではKari Tapioの「Olen Suomalainen」(私はフィンランド人)という1983年の歌が誰かのスピーカーから流されていました。





動画は
Herrahaunt
より。

なお、2014年には、移民や難民も含め様々な国にルーツを持つフィンランド人たちを映し出した「Kansalaiset feat. Medborgare」(Kansalaisetはフィンランド語で「国民」の意味、Medborgareはスウェーデン語で同意味)による同曲のカバーも存在します。





動画はKansalaiset Medborgareより。

でも一応書いておくとこの曲はもともとはイタリアの歌手Toto Cutugnoによる「L'italiano」(イタリア人)が原曲です。なのでナショナリスト団体が流していたとすればかなり皮肉ですよね。先のカバー版のおかげもあり曲の持つイメージとしてはもっと多様性を持ったものとなっているので、別の人たちが流していた可能性もありますが。

歌の話はさておき、人通りの多い中央駅横の広場で通りがかりの人を襲うなんて恐ろしい話ですよね。テントが撤去されてよかった。

なお、難民によるデモのテントはまだ広場のAteneum美術館側に存在します。

あと付け加えると、テントがあっても無くても夜のヘルシンキ中央駅はヘルシンキで一番暴力事件が起こりやすい(といっても酔っ払い間の暴力が多いようですが)ところとして知られていますのでご注意ください。


[via YLE]

(abcxyz)

2017年6月14日水曜日

フィンランド政府、真のフィンランド人党分裂で、政府解散しない可能性も

Perussuomalaiset(真のフィンランド人党、以下PS)の新党首が人種差別的な発言で知られるJussi Halla-Ahoとなったことで、昨日の段階では政府解散かと思われていました

しかし今日は、元PS党首Timo Soiniを始め、合計20人のPSメンバーがPSの国会議員グループを出てUusi Vaihtoehto(新しい選択)というグループを結成しました。首相のJuha Sipiläは、明日今日、政府解散届けをするために国会解散の権限を持つNiinistö大統領に会いにゆく予定があったようですが、それもこれを受けキャンセルに。

Uusi Vaihtoehtoは、今までのPSが政府と協力していたとおりに政府の方針に従って協力するとのこと。Jussi Halla-Aho党首の下には15人の議員がまだ居残りますが、政府議席としてはまだ107あるので政府が成り立ちます(この内一人は議長なので投票時には106票分の投票権)。PS(もUusi Vaihtoehtoも)抜きでRuotsalainen kansanpuolue / Svenska folkpartiet(スウェーデン党、以下RKP)とKristillisdemokraatit(キリスト教民主党、以下KD)を政府に取り入れた場合は議席数がギリギリの101となるので、それよりは余裕を持った感じです。

結局Halla-Ahoの支持者が一部だけ政府を去る形になりましたが、まだ今のところは上記内容も確定ではありません。どうなるか気になりますねー。


[via YLE]

(abcxyz)

2017年6月12日月曜日

フィンランド政府人種差別的な価値観の党首は許さず。政府解散、再建へ



フィンランド政府与党のPerussuomalaiset(真のフィンランド人党、以下PS)に、人種差別的な発言で知られるJussi Halla-Aho党首が新たに選ばれたことは昨日お伝えしたばかりですが…。これを受けて、Suomen Keskusta(フィンランド中央党、以下Kesk)党首で首相であるJuha Sipiläと、Kansallinen kokoomus(国民連合党、以下Kok)党首で財務大臣のPetteri Orpoは、もう政府にPS党を入れることはできないという合意に達しました。つまり、政府解散です。

Halla-AhoはPS党をより国家主義的で欧州懐疑主義的な方向に導くつもりだと話していました。(YLE

SipiläとOrpoは共にツイッターで以下のようなツイートをしています。

話し合いが行われた。Kesk/Kok議会グループへの我々の共同提案は:Halla-aho率いるPS党と協力する余地はない。





後にHalla-AhoはFacebookにて、現政府は2015年にPS党が政府に入った当時の政府政方針や難民方針に従うべきだなどとSipiläとOrpoとの話し合いで伝えたと述べています。しかし、これに対しSipiläは今よりも厳しい移民方針にすることは不可能だと答えたそう。(追記:難民に対する政府の方針という緩い枠組みの中で、Halla-Ahoはもっと厳しくすべきと言っている。別に元の政府方針が今より厳しいはずだったというわけではなく、あくまでもHalla-Ahoは同じ枠組みの中でもっと厳しくすべきと言っているだけ。 YLE

PS党を政府から追い出せば国会の議席数の過半数に足りなくなるので、KeskとKokは政府を作り直さなければ法案が通せなくなります。KeskとKokは現在の野党を政府に入れようとするでしょうが、それが無理であれば国会解散し、総選挙となるでしょう。


そこら辺の詳細も前回の投稿に記してありますので今後どうなるか気になる方はどうぞ。


なおRuotsalainen kansanpuolue / Svenska folkpartiet(スウェーデン党、以下RKP)のAnna-Maja Henriksson党首は、既に政府を作り直すなら政府に入る交渉をする準備があると述べています。(YLE)また、Kristillisdemokraatit(キリスト教民主党、以下KD)も交渉準備はあるとのこと。両政党がKesk/Kokに加われば、101/200議席となり過半数は超えますが、RKP、KDどちらの政党も無条件で政府に入るつもりは無いようで、あくまでも交渉の準備があるとのことのよう。

国会解散の権限を持つNiinistö大統領は「ひとまずは現国会で迅速に新政府を」としながらも、総選挙も可能だとしています。(YLE


[via YLE]

(abcxyz)

2017年6月11日日曜日

フィンランド政府連立与党次期党首は人種差別で知られるHalla-Ahoに。

Perussuomalaiset(真のフィンランド人党、以下PS)の現在の党首Timo Soiniは党首を辞めると意思表明していましたが、次の党首が決まりました。

Sampo Terho(現「ヨーロッパ文化とスポーツ」大臣)とJussi Halla-Aho(46)の間でどちらになるかが注目されていましたが、結局次期党首はJussi Halla-Ahoとなってしまいました。Halla-AhoはEU議会のフィンランド代表議員の一人でもあり、ヘルシンキ市議会議員でもあります。

しかし、多文化性とフィンランドの移民制度を批判していることで知られており、何度も様々なブログ上での発言で訴えられています。例えば:

・移民増加のせいで性犯罪が増えているため、性犯罪の被害者は緑党、左翼党の支持者になるべき。
緑の党の女性議員に訴えられる>警察が起訴するほどのものではないと判断

2009年にはこんな発言も:

・ペドフィリア、泥棒、人の税金で生活するのはイスラム教の遺伝。
警察に起訴され有罪に>「宗教的平和を破壊する罪」で収入に合わせた30日分の罰金として330ユーロの罰金を支払うことに

またHalla-Ahoは逆に、YLEに「人種論博士」と形容されたこと(Halla-Ahoは大学でロシア語専攻、古典教会スラブ語の博士号を持っている。このことと人種差別的なことをかしこまって言うことを揶揄してこう言った)を訴えたりもしています。

思ったことを周りを気にせず口にすることで人気を得た彼は、アメリカ大統領のドナルド・トランプも想起させるものの、落ち着いて賢そうな話し方をする彼はトランプほど馬鹿っぽい雰囲気はありません。内容はトランプ的だが言い方はかしこまっている、と言ったイメージです。

現在の与党は議席の多い順にSuomen Keskusta(フィンランド中央党、以下Kesk)、Kansallinen kokoomus(国民連合党、以下Kok)、PSの三政党で構成されています。
彼が政権の一端を担う真のフィンランド人党の党首となることで、今後大臣の入れ替わりがあると見られており、PS内のより人種差別的な議員が大臣として選出されるのではとみられています。

しかしそうなると、KokもKeskも(特にリベラルな資本主義的政党であるKokは)人種差別は許容しないはずです。こうなると政府内部に亀裂が入るでしょう。

フィンランド国会の議席は200あり、どの政党も議席の半分を占めることは不可能です。そのため現政府は上記三政党で全議席過半数以上の議席を確保していたわけです。一つ前の政府はKOK、Sosialidemokraattinen puolue(フィンランド社会民主党、以下SDP)、Vasemmistoliitto(左翼同盟、以下Vas)、Ruotsalainen kansanpuolue / Svenska folkpartiet(スウェーデン党、以下RKP)、Kristillisdemokraatit(キリスト教民主党、以下KD)、Vihreä liitto(緑の同盟、以下Vihr)の6政党(Vasは途中離脱)で構成されていたためレインボー政府という呼び名(呼び名は政党の色の組み合わせで決まる事が多い)でした。

現在のところ支持調査ではKokが一番人気、KeskとPSの人気は下がっている状態で、もしHalla-Aho新党首が今の政権の合意と異なることをしようとしたり、人種差別的な議員を大臣にすれば内閣解散、KeskとKokは他の党を政府に入れないと議席の過半数を占めることができません。KDとRKPを取り入れることができれば議席数が101人となりますが、議席数がそんなにギリギリだと一人休んだら法案が通らないし、一人でも政府の決断に反対票を投じればやっぱり法案が通らなくなります。

PSはスウェーデン語の義務教育に反対しているため、スウェーデン党RKPはPSが政府を出れば政府に加わる可能性も(RKPはスウェーデン系の人さえ良ければ他の政策についてはどうでもいいと思っていると揶揄されることもしばしある)。しかしキリスト教のKDは、現政府の困窮者からの節約はキリスト教的価値観に合わないとして反発する可能性も持っています。

なお、SDP、Vih、Vasは現政府にかなり反対しているため誘われないだろうし、参加しても参加しないだろうとも見られます。

現政府が最重要と考えるのはSoTe-uudistus(福祉医療改革)。その現行案をどうしても通したいKokとKeskは、Halla-Ahoの言い分を飲む可能性もあるかもしれません。この福祉医療改革は2009年あたりから誰もに望まれていますが、現政府の改革案は今通すために無理やり形にした感があり、専門家にも批判を浴びています。

別の可能性としては、KokとKeskがPSと仲間割れし、政府解散して仲間を探しても見つからず…ということもありえます。そうなければ国会解散となり、選挙がおこなわれるでしょうが、そうなればKeskが政府に入ることは無いでしょうし、Persも入れないでしょう。しかしHalla-Ahoは政治ゲームに興味がある風ではなく、なおかつ交渉力も低いと見られており、そうなったとしてもそれを気にせずに政治を続けるだろうという見方もあります。

ヘルシンキ市長のJan Vapaavuori(Kok)は、「(Kokの)Orpo党首が決める問題ではあるが、Halla-AhoとKokは同じ政府にはいられない」などと発言しています。

また、非常に悪質な某人種差別フォーラムは(あえて名前を書かないのは、ターゲットになれば脅迫やストーキングの恐れもあるため)、これはもともとHalla-Ahoのブログのコメント欄から派生したものだそう。


Wikipedia, YLE [via YLE]

(abcxyz)



2017年6月1日木曜日

報道自由ランキング低下の原因となったフィンランド国営放送編集局長辞任



このブログでも、そして楽しいYouTubeアニメシリーズ『スゴいねスオミたん!』でも取り上げてきたSipilägate(シピラゲート)の一端を担い、世界報道自由ランキングでフィンランドの順位を落とすきっかけともなったフィンランド国営放送YLEの編集局長Atte JääskeläinenがYLEを辞めることになりました。

ジャーナリズムの道徳監視組織JSN(Julkisen sanan neuvosto)は、フィンランド語時事問題部門の編集局長JääskeläinenとYLEのやり方が間違っていると今年3月に批判。それを受けてYLE自らこれを調査し、その結果、Jääskeläinenをトップに持つ行政かのようなリーダーシップが良くないと内部で判断しました。

5月28日付のHelsingin Sanomat朝刊に掲載されたインタビューにて、JSNにもYLEの調査でもあなたが間違っているとされているが、なぜ認めないのか訊かれ「組織としてのYLEとその方針は彼らが決めるわけでなく、YLEはJSNに入りたいから入っているわけで、JSNがYLEの方針を決めつけようとするならYLE自ら組織を作ることになるかも。」などと答えました。同日彼はこんなツイートをしています。





やあ。今朝のHelsingin Sanomatの記事ですが、そういう意味の暗示ではなかった。YLEはもちろんJSNを出ようとしているわけではない。




私が言ったことでただYLEのジャーナリズムの方針を決める力はYLEにあるべきということを強調したかっただけです。


IltasanomatもYLEもこのツイートを記事に引用。Iltasanomatは「これはただの皮肉だった」との本人からのコメントも掲載しています。Jääskeläinenはこれらの記事をリツイートした後にこんなツイートをしています。




正直に言います。私は真剣な話題の中で熟考せず発言をしてしまった。それは間違いでした。私はJSNの立場を崩そうとしているわけではない。私は強いJSNが欲しい。


そして翌日29日、YLEからJääskeläinen辞任のお知らせが発表された。

今回のJääskeläinenの辞任に関しては、YLE理事会がJääskeläinenと相談しての決定であり、別に辞任しろとかそういう話があったわけではないとも話しています。辞任に関してのJääskeläinenからのメッセージには

「私のYLEの中の立場より、社会の中のYLEの立場の方が大切だから辞任します。」

などと書いてあるんですが…みんなそう思ってたから最初から辞めろって言ってたんだよ…



image by me

[via Twitter,YLE]

(abcxyz)

2017年5月19日金曜日

5月も半ばだけど…ヘルシンキの桜公園で今週お花見だよ!



5月も中旬ですが、ヘルシンキでは今が桜の見頃!Petorah撮影のトップ画像も数日前のヘルシンキの桜です。

今週の日曜日、ヘルシンキのRoihuvuoriにある「Kirsikkapuisto」(桜公園)でお花見があります。この公園の桜は、ヘルシンキにある日本食などを扱うお店Tokyokan/東京館のオーナーであるNorio Tomida氏の発案が元となり、在フィンランド日本人や日本企業などからの寄付により約150本の桜が植えられ2007年にできた公園です。以来
Kirsikkapuistoでは桜が咲く頃に毎年この時期にお花見が行われます。

Facebookのお花見イベントページRoihuvuori.fiの花見ページを見るとわかるように、日本関連の催し物が行われる他、日本のポップカルチャーが好きな層がコスプレして来たりも。

今のところ予報は曇り気味で気温は最低8度、最高13度となっています。この時期にヘルシンキを旅行される方はお花見を狙ってくるのも良いかもしれませんね。

なお、今年の花見の詳細はFacebookのお花見イベントページをどうぞ。地図はこちらです:





photograph by: Petorah

(abcxyz)

2017年5月13日土曜日

当ブログがついに電子書籍化!『空耳フィンランド語!: ~空耳で覚えるフィンランド語辞書~』Kindleストアで販売開始!



2011年にこのブログを始めたのは、私自身のフィンランド語学習のためでした。日本語と同じ発音だけれども、全く違う意味の単語を見つけては、この素敵なフィンランド語の発見を多くの人に知らせたい、という思いもありました。それがいつしか空耳単語よりもそれ以外の投稿が多くなり、ブログがきっかけでミシュランシェフのレストランイベントに招待されたりとかもしつつ、ここ数年では硬めの記事が多くなり、最近は気がつけば政治ネタばかりになってしまいました。

それでも、このブログの原点である「空耳フィンランド語」はいつかもっと読みやすく、調べやすい形でまとめたいと思っていました。それをようやく電子本として形にすることができました。それがこの『空耳フィンランド語!: ~空耳で覚えるフィンランド語辞書~』です。





「世界一難しい」と言われるフィンランド語を、ダジャレのような空耳で楽しくおぼえちゃおう!

という、ブログ開設当初フィンランド語に対して抱いていた気持ちはそのままに、フィンランド語を覚えたいけど文法の本も辞書も難しくて諦めたという人も(私もこの口です)、フィンランドに旅行予定の方、異国語のトリビアを探している方、フィンランド人の友達を作りたいという方でも、誰でも気軽に読めるようにあまり語学的に難しい内容は入れずに、ところどころその項目に関係する豆知識も入れ込んでいます。

今なら初版限定価格の99円で購入可能。今後版を重ねると共に、収録項目、例文、説明などを加え、内容を充実させていく予定です。それに伴い値上げ予定ですが、既に購入されている場合、新版に無料で更新できるようになっているので購入するなら今のうちかも?

未だ収録語数は300語足らず。「辞書」なんてタイトルにつけてはいるものの、辞書の風上にも置けないような内容ですが、まだまだこれから信じられないような空耳フィンランド語の中身をどんどん増やしていく予定ですので応援ください。なお、もっとちゃんとフィンランド語を勉強したい(けど文法は嫌いだ)という方には当ブログの投稿「フィンランド語を勉強したい方に、この本おすすめ!」をどうぞ。

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内容紹介

ぱっと見読みにくく覚えづらそうなフィンランド語を、ダジャレのような空耳で楽しくおぼえちゃおう!

フィンランド語に慣れていないと難しそうだけど、日本の発音で「ナイネン」と言えばフィンランド語では「女性」の意味に、「トッタカイ」と言えばフィンランド語で「もちろん」という意味だったり。こんな風に、日本語とほとんど同じ発音で、別の意味の言葉も沢山あるんですよ。

フィンランド語を覚えたいけど文法の本も辞書も難しい…フィンランドからの留学生に話しかけたい…異国のコトバに関するトリビアを探している…そんな方に最適な一冊。フィンランドに関する豆知識も交え、日本語に似たフィンランドの言葉楽しく覚えることができます。

今後も版を重ねると共に、徐々に収録項目、例文、説明などを加え、内容を充実させていく予定ですのでご期待下さい。

*注意*本書は日本語に聞こえるフィンランド語の言葉を集めたものであり、面白い言葉を集めたものです。本格的なフィンランド語辞書をお求めの方はちゃんとした日本語-フィンランド語辞書のお求めをおすすめします。

収録項目数:288語
ページ数:96頁


(abcxyz)

2017年5月8日月曜日

「恋☆カナ」を日本語とフィンランド語で歌うLaura Vanamo

「恋☆カナ」と言うと、フィンランド人にどう聞こえるでしょうか?フィンランド語で「koi」は「蛾」、「kana」は「ニワトリ」という意味なんです。

日本のアニメ『きらりん☆レボリューション』の主題歌として、「月島きらり starring 久住小春 (モーニング娘。)」が歌う「恋☆カナ」と言う歌があるのですが、フィンランド語では「蛾鶏」と聞こえてしまう変なサビを持ったこの曲はフィンランドのアニメファンの間でも知られています。

こちらが原曲。





動画はstreetradyより。

さて、『ポップ・アイドル』、『アメリカン・アイドル』などのアイドル発掘リアリティー番組のフィンランド版『Idols』に2008年に出場したLaura Vanamoは番組内で審査員に「恋☆カナ」を日本語で披露。

こちらがその『Idols』出演時の映像。





動画はLoreksより。


残念ながらVanamoは予選こそ通過するもののファイナリストにはなれず。しかし後にVanamoは「Se Tunne (Koi Kana)」として同曲のメロディーにフィンランド語の歌詞を自らつけてPokoRekordsからシングルを発表!それがこちらです。





PokoRekordsから。



(実は私がLaura Vanamoの歌うこの曲のことを知ったのは2010年ごろ。ずっとこの事について書かないと…と思ってかれこれ7年も経ってしまったとは…)


(abcxyz)

2017年5月3日水曜日

「ヨーロッパで一番セクシーな国フィンランド」性教育協会傘下のコンドームブランドの動画が「フィンランド人みたいにヤろう」と宣伝



ストックホルムで1933年に女性医師によって作られた「RFSU」ことRiksförbundet för sexuell upplysning(英名:the Swedish Association for Sexuality Education「スウェーデン性教育協会」)。このRFSUは、学校での性教育などを始めとし、国際的に活動する組織です。フィンランド支部RFSU Suomiがある他、ノルウェーにも存在します。

避妊を制限する法律を止めさせたり、中絶する権利を人に与えたり不妊手術(妊娠できなくする手術)をする権利、避妊道具を無料にする、同性愛を合法にすることなどを目標にしています。これらの目標の内、唯一まだスウェーデンでもフィンランドでもできていないのは無料で避妊道具を手に入れること(フィンランドでは自治体によっては病院に行けば無料でもらえるところもあるけど)。国際的にも、中絶不可能な国でそれを可能にしようとしたり、同性愛が違法な国で合法化しようとしたり、といった活動もしている団体です。


そんなRFSU Suomi(フィンランド支部)が出した動画がこちら。動画の名前が「Sultan - F*ck like a Finn」となっていますが、このSultanと言うのはRFSUが販売するコンドームブランド。Sultan(スルターン)はイスラムの君主号の一つでもあります。(トップの写真はSultanではないものの、同じくRFSUの販売しているコンドーム)




「自然や教育システム、技術」などで知られるフィンランドは「セックスにも最高の国」、「人口密度は低い」が「集まるときには非常に密接で裸」、だからフィンランド人は自分の(裸)体を恥ずかしがらないし、他の人の裸体に対してもそう…ロマンチックな白夜に、その逆に「なにが起こっているのかさっぱり」わからなくなる漆黒の極夜。「リベラルな性教育と性の平等」のお陰で人々はコンドームを使ったセーフセックスをするし、スーパーマーケットで「コンドームやセックストイ」が買える。「フィンランド人の率直さ」はすぐに「本題に入る」助けになる。

「素晴らしいセックスには、お喋りとかいったロマンチックな表現などいらない、心地よさがあればいい」、「だからつべこべ言わずにフィンランド人のヤり方でヤろう。フ*ック・ライク・ア・フィン」。

といった内容の動画。つまり、「コンドームを使って、フィンランド人みたいに安全に、でもいっぱいセックスしよう!」という内容ですね。なお、Sultanのすべての売上は、性教育、夫婦関係に関する相談や情報提供など組織の方針に沿った活動に用いられています。またRFSUではその活動の一環として、「半分のフィンランド人は性欲のなさの問題を誰とも相談しない」、「フィンランド人の59%はセックスは人生に不可欠だと考えているが、セックスライフに満足しているのは半分以下」、「北欧の中で一番コンドームを使うのはフィンランド。それでもコンドームを使うのは25%」などの調査なども発表しています。

なおフィンランドでは経口避妊薬(所謂ピル)での避妊も多く、出産年齢の女性の25%くらいだそうです。

事実かどうかは知りませんが、「日本で一番人気の避妊方法は中絶」なんて話もきかれる日本。話半分なんでしょうが、日本では90年台経口避妊薬を日本で販売しようとしたら日本の医療業界はリスクを過大評価したために経口避妊薬の認可が難しかった(99年には認可)そう。これには女性がすぐに避妊できるようになると、これまで儲かっていた中絶クリニックが潰れてしまうから、経口避妊薬への反対が大きかったのだ、などという話も耳にします。なお筆者の出身地鳥取は中絶率が日本一です。全く誇れません。

とはいえ経口避妊薬、最悪の場合死亡するケースもあり、フィンランドでも死者は出ています。先の話も、薬を日本で売りたかった薬会社からの視点の話、というだけかもしれません。どの薬にも危険な副作用が出る可能性はあるわけですけどね。なお、最近はフィンランドでも健康への影響が心配され経口避妊薬の使用率は減ってきているそうです。

他にも避妊リング(ホルモンを用いるものや銅を用いるものとか)などの子宮内避妊用具、女性版コンドームとも言われる「ペッサリー」、不妊手術(パイプカットとか、卵管を結ぶとか、で妊娠できなくする手術。一度してしまうと戻せない可能性がとても高い。フィンランドでは30歳以上になれば可能。周りでもこの手術をした/したいという話をたまに聞く。)、など避妊には色々な方法があります。でも、きちんと使えば避妊率98%と言われるコンドーム、HIV、性感染症や妊娠のリスクを減らすためと思えば安いもんだし、買うことも恥ではありません。

皆さんもコンドームを使って、フィンランド人みたいにセックスライフを送りましょう(笑)。


YouTube [via HS.fi]

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2017年4月28日金曜日

Vappuにご注意!4月30日、5月1日ヘルシンキ旅行者は気をつけて!

4月30日から5月1日はVappu!Vappuは春と労働と学生のお祭りです。

4月30日はVappuイブで、午後六時にEsplanadi公園にあるHavis Amandaの像の上に高校卒業式の時に被る黒いツバの白い帽子をかぶせ、盛大に酔っ払います。




今はかもめが頭の上にいるが、Vappuイブ午後6時にはこれが帽子に変わる。

5月1日のVappuはみんな二日酔い、もしくはピクニックに繰り出します。また労働関連のデモマーチがあります。日本でもこの日はメーデーですよね。

街中に人が溢れ出し、「あれ、ヘルシンキってこんなに人多かったっけ!?」と思うような人混みに。もちろん公共の交通機関も混み合います。





Vappuには色とりどりの風船も沢山売り出される。ムーミン柄のもあれば、子供向けハリウッドCGアニメのキャラも。写真では見づらいですが右奥に風船をたくさん持った人が。


フィンランドに滞在届を出している方には在フィンランド日本国大使館からの注意喚起のメールも届いているはずです。注意するに越したことはないものの、自らも酔っ払ってしまわないようにして、酔っぱらいからは距離を起きましょう。そうしている限りは、大使館の注意のように暴力沙汰に巻き込まれたりスリの被害にあうこともないはずです。ただし、酔っぱらいの人数は半端じゃないですし、中には変な麻薬を使う連中も居ます。ビール瓶が割れた破片も街中に散乱するので、薄い靴を履く方はお気をつけください。




Marimekko本社の食堂にもVappuの飾り(風船とリボン)が。

酔っ払いに絡まれたら「Hyvää vappua!/ヒュヴァー・ヴァップア!」(良いVappuを!という意味)とにこやかに言い放ち、酔っぱらいの前から立ち去るのがいいでしょう。


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2017年4月27日木曜日

世界報道自由ランキング2017、5年連続1位のフィンランドは3位転落。首相の「シピラゲート」事件が影響。日本は変わらず72位



なんだかもうブログタイトルを「フィンランド・ネガティブ情報ブログ」とかにしたほうがいいってくらいにポジティブなネタを書いていませんが、今回もまたネガティブな話題です。

世界報道自由ランキングでこれまでこれまで5年連続1位の座に居座っていたフィンランドですが、今年は3位に落ちました。

Reporters Without BordersによるThe World Press Freedom Index(世界報道自由ランキング)、フィンランドに替わって1位の座を得たのはノルウェー、2位はスウェーデンとなりました。日本の順位も近年、福島原発や特定秘密保護法、安倍政権のせいで下がっていましたが、今年は昨年と同じで72位でした。

フィンランドがトップの座を明け渡したのは当然ながら当ブログでも取り上げたり(風刺アニメ作ったりしているフィンランドの首相Juha SipiläによるSipilä-gate(シピラゲート)のせいです。これで国際的なランキングで正式にフィンランドの順位を下げる事となりました。今後フィンランドの報道の自由がどうなるかも心配なところです。


[via Reporters Without Borders]

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2017年4月24日月曜日

ヘルシンキ中心に新しくできた寿司屋さんが失敗だった件。美味しいのが食べたかったらMakkarataloのHankoに行こう



ヘルシンキ中心部、中央駅からもすぐそばの、SokosとKamppiの間に挟まれたLasipalatsiに新しい寿司屋「Haiku」というのができていたので行ってみた。




(そもそもダルマの両目とも白目な時点で違和感を感じるべきだった…)

ビュッフェがメインのような雰囲気だが、持ち帰りや、個別メニューの注文もできる。




店内の雰囲気は良く、日が当たるととても爽やかな感じの空間になる。この店にはそれ以外にこれと言って良い点はない。




皿には魚の絵が描いてあって可愛い。黒いのは多分着色されたトビウオの卵(とびこ)。中華料理屋の寿司ではよくカラフルなとびこが乗った寿司が出る。

寿司の味は、サーモンは美味しいものの(どこに行ってもサーモンは大概美味しい)、米は固めで、日本米ではない。この程度の寿司ならどの中華料理屋/「アジア料理屋」に行っても出てくるレベルのもの。フィンランドの寿司クオリティーからすれば「平凡」レベル。

別に日本人がやっていないと美味しい寿司はできないとか、そんな人種差別的なことは思わないが、「寿司=生魚が米の上に乗ったもの」というレベルの寿司概念を元に寿司を売っている店が多いのは事実だし、「寿司職人」というプロフェッションがフィンランドに存在しない(であろう)のもまた事実だろう。そんな中で、立地条件の良さも相まってか価格設定の高いこの店が生き残ることは無理だろうな。このHaikuができる前にも同じ場所にItamae Sushiという寿司屋があったが、あれもそこまで評判は良くなかった。

しかし、寿司ビュッフェの価格がランチタイム(11時から15時)で9.90ユーロなのは許容できるが、私達が行った金曜午後6時には18ユーロと馬鹿に高い。平凡な中華料理屋のビュッフェに含まれる寿司と同じクオリティなのに、中華料理は食べられない、その上、水や味噌汁はあるが、ビュッフェに欠かせないコーヒーやお茶もない!まさかここフィンランドのビュッフェでコーヒーすらないのには閉口、非常に損した気分になった。

行くことはおすすめしないが、もしヘルシンキ中心付近で寿司が食べたくなったら、ビュッフェではないものの断然クオリティーの高いCity-Center(別名Makkaratalo)内のHanko Sushiに行くことをお薦めする。このショッピングセンターCityCenter(ヘルシンキ中央駅、石でできたおかっぱの像が立っている側の出口の道路を挟んで反対側の建物)内のHanko Sushiには、日本人のシェフが働いており、そこで働く人々にちゃんとした寿司教育をしているようで、美味しい寿司を食べることができる。






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2017年4月21日金曜日

フィンランドを勝手に紹介するアニメーション『スゴいねスオミたん!』第二話のご紹介と解説

相変わらず「フィンたん」らしさも無ければ、フィンランドの紹介にすらなっていない、内容の薄いフィンたんのアニメーション第2話が公開されましたね!フィンランド大使館のウェブサイトではフィンたんを演じる声優達のインタビューも掲載されていますが、結局声優たちも特にこの仕事からフィンランドについて詳しく知ることができたことがないのが彼らのコメントからもわかります。




そんなわけでフィンランドを紹介する楽しいアニメーション、「スオミたん」待望の第二話を作りました!フィンたんのアニメなんかよりずっとフィンランドのことがよく分かるしフィンランド語も出てきます!





前回のキャラクターと今回のキャラクターは違う政治家を風刺したキャラクターではありますが、同じ「スオミたん」としているのは、政治家それぞれがスオミ=フィンランドを代表しているからです。

今回の動画のスオミたんは、公共の道路を民営化しようとしている交通通信省(liikenne- ja viestintäministeriö)の大臣Anne Berner。動画ではAnne Bernerを念頭に置きながらも、国の機関を次々と民営化していく現政府を揶揄しています。

Bernerは出生地はフィンランドながらもスイス人の家庭に生まれた彼女はヘルシンキでドイツ学校に通い、フィンランドで政治の道に入るまではフィンランド国籍も取得していませんでした。政治家としてのBernerは、一期だけ政治家をしたら止める事を公言(Nordic Labour Journal)しており、政治のための政治をする政治家ではなく、ビジネスパーソンとしての自らのキャリアのために政治家をしていることは明白です。

「フィンランドを自分のために利用…じゃなかった、自分をフィンランドのために役立てたいと…」の件は、「20年後どのような大臣として歴史に残りたいか?」という質問に対して「jotka hyödyntävät Suomea laajasti」、「フィンランドを利用する解決(をした大臣)」とのBernerの発言(via HS.fi)から。本当は「jotka hyödyttävät Suomea laajasti」、「フィンランドのためになる解決(をした大臣として歴史に残りたい)」と言いたかったのでしょうが…。家族内ではドイツ語で会話するBernerですが、フィンランド語も完璧に話す彼女がわざと「hyödyttävät」を「hyödyntävät」と言ったのでは(本音が出たのでは)との嫌味な見方もされています。

また国営の空港運営会社Finaviaでの巨額の損失を出した投資に関する調査をBernerが中止させたことで、この投資に関わっているのではないかとの憶測もあります。

日本でも時折見かけるフィンランドのインテリアブランドVallila Interiorは1935年より彼女の家族が経営している会社でもあります。


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2017年4月8日土曜日

投票日を明日に控えるフィンランドの地方選挙が日本風アニメになった(しかも日本語吹き替え!)

駐日フィンランド大使館がフィンたんアニメを作ったからか、はたまた当ブログでアニメーションを作ったから(…では無いでしょうが)か、なぜだかフィンランドの地方選挙を明日に控え国営放送YLEのSNS動画サービス『Kioski』内で、フィンランドの地方選挙戦が日本風アニメ化されてます。





しかも内容はフィンランド人がローマ字を日本語で読み上げているようで、バッチリ日本語。イントネーションが少しわかりにくいところがありますが、そうは言っても内容はGoogle翻訳よりはしっかりしているので、ある程度日本語ができる人が作ったのではないかと思われます。

画的には各党の党首は誰もあまり本人に似ておらず、Juha Sipilä=「シピラ先輩」などは『天空の城ラピュタ』のムスカみたいな見た目に…人々の投票率を下げてしまうモンスター「低いパーセンテージ」はなんだか『ドラゴンボール』のピッコロっぽかったり。


[via Kioski]

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2017年3月13日月曜日

フィンランドを勝手に紹介するアニメーション『スゴいねスオミたん!』第一話のご紹介

先日公開されたフィンランド大使館のマスコットキャラ、「フィンたん」のアニメーションが適当すぎて納得がいかなかったので(?)、自分でフィンランドを紹介するアニメーションを作ってみました。




それがこちら、フィンランドを勝手に紹介するアニメーション『スゴいねスオミたん!』です。

フィンたんのアニメが表現できなかったフィンランドの「革新的」、「創造的」、「真面目になりすぎない」、「接しやすい」部分を皮肉と政治批判たっぷりに表現しています。第一話は本ブログでも何度も取り上げてきた「シピラ・ゲート」の話です。





フィンランド語字幕も付いていますのでフィンランド語を学んでいる方もぜひどうぞ。今後どこまで続くかわかりませんが、第二話の構想も練っているところですのでお楽しみに!

なお、「Suomi Finland Perkele」部分は(フィンたんアニメの批判記事でも記した)フィンランド独立100周年記念関連事業「Suomi 100」への風刺。最後の部分はフィンランド人の多くにとってトラウマとして知られるYLE 2の子供番組、『Pikku Kakkonen』の「弱い氷を渡って溺れそうになるクマの回」の最後のトラウマセリフ「Varokaa heikkoa jäätä」(薄い氷には気をつけて)のパロディーとなっています。





こちらがそのトラウマ回。


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2017年3月3日金曜日

フィンランド国営放送YLEに中立的報道の危機。政府がYLEの方針を決めるよう法律を変える提案。

フィンランド国会のワークグループが、国営放送YLEの方針を国が決めることができるように法律を変えようと動いています。

国会のワークグループ(政府のみならず全ての党のメンバーから成る)が、YLEに関する法律を変更し、国会がもっとYLEの方針にかかわるべきだとする提案を出しました。

この提案では、YLEの方針を政治家からなる委員会が決定するべしというもの。この委員会のメンバーとなる議員は国会の投票により決まります。それプラスYLEのスタッフ2名が委員会に参加できるという提案ですが、YLEスタッフは会議に意見を述べる権利はあるものの、投票権はありません。

今後この提案は国会で議論される事となります。とは言っても現政権は多数の憲法に則っていない提案をこれまでに行っており、憲法の専門家から「それは違憲である」と指摘され、「じゃあナシに…」と国会議員たちの時間を無駄にして結局何もならないような提案も多数しています。今後この提案がどうなるかも不明です。

しかしアイデアを出したワークグループは、この提案を元に法律を「早く変えるべき」だとしており、人々はYLEの中立性が無くなるのではないかと心配しています。YLEの中立性といっても、YLEの口を黙らせたSipilä首相のSipilä-gate事件の後ではそもそも存在したのかどうかも怪しいところです。

Sipilä-gateのようなことがもう起こらないようにするためにこのような提案が出たとも見て取れますし、その真逆でもっと政府により国営メディアをコントロールするための提案とも見て取ることができます。

国営放送YLEの受信料は、YLEが現政権の好まない報道をしたとしても政府がその予算を変更できないよう、個人の支払う税金から一定の割合が設定(年間0.68%、高くても143ユーロ。0.68%が70ユーロ以下なら払わなくてもいい)されており、国営放送ながらも中立的な報道ができるようになっています。


[via MTV]

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