2015年1月20日火曜日

統一感に欠けるAMDのAPU名。最新APU「Kaveri」はフィンランド語?

ガジェット速報が伝えるところによると、アメリカの半導体メーカーAMDの新たなAPU(CPUとGPUが一緒のチップになったもの)の名前は「Kaveri Refresh」。「Refresh」は英語の「リフレッシュ」ですが、「Kaveri」はなんだか聞き慣れない感じの言葉ですね。実はこれ、フィンランド語なんです。

Kaveri」はフィンランド語で「友達」、「ダチ」といった意味の名詞です。Wikitionaryによれば、フィンランド語の「kaveri」の語源としてはヘブライ語転じてイディッシュ語で「友達」という意味の(ローマ字での表記だと)「khaver」という言葉から、もしくは「kamraati」と「toveri」(共に「同志」という意味のフィンランド語)が合わさってできた混成語、とされています。

ちなみにこれまでのAMDのAPUの名称はこんな感じです:

Ontario (カナダの地名、元々オンタリオに住んでいた先住民の言葉で「偉大な湖」という意味)
Zacate(スペイン語で「草」、「まぐさ」)
Llano(スペイン語で「平らな」とか「平原」)
Wichita(アメリカの地名、ウィチタに住んでいた先住民の部族の名前
Krishna (インド神話の英雄/神の化身であるクリシュナ、また、インドの地名でもある)
Trinity トリニティー(キリスト教では父と子と精霊の三位一体を示す、語源はラテン語
Temash(アメリカの先住民族の言葉で「茂み」)
Kabini(トルコ語の「キャビン」の単数形対格
Richland(アメリカの地名

といった感じ。なんだかアメリカ大陸の先住民の言葉だったり、草系だったり、はたまた宗教的な名前だったり、使用言語からも言葉の意味からも統一感を見出すのが難しい名づけ方ですね。CPUとGPUを統一したAPUの名前なんだから、もっと命名規則もわかりやすく統一して欲しいところです。

そして現れた新たなAMDはフィンランド語で「友達」という意味ときたら、もうわかりません。しかもフィンランド語は、その話者数が世界でも600万人程度とされているほどの小さい言語なので、そんな言語の言葉をわざわざ使う理由も知りたいところ。その上APUの正式名称が「Kaveri Refresh」ならば「友達リフレッシュ」という事に。「俺のダチ、古くなったから新しいダチと入れ替えようか」とでも言いたいのでしょうか。なお、APUという言葉もフィンランド語での意味が存在します。実際は「Accelerated Processing Units」の略なのでフィンランド語のつもりということはないでしょうが、「APU」(apu)はフィンランド語で「手伝い」という意味。

フィンランドのNokiaの携帯部門はマイクロソフトに買収されてしまいましたが、フィンランド発の独自OS Sailfishを搭載するスマホを発売したJolla(ヨッラ、フィンランド語で「ある人が持つ」という意味の代名詞)は今年は同OS搭載のタブレットも発売予定と頑張っている他、国際的にも世界男女格差指数でも世界で2番目に男女の格差が少ないと発表され、フィンランドは世界的にも注目を集めています。フィンランド語で「友達」という言葉を新APUに採用したAMDも、もしかしたら隠れフィンランドファンなのかもしれませんね。


米AMD、「Kaveri Refresh」とデスクトップ向け「Carrizo」を2015年内に投入か [via GGSOKU]

(abcxyz)

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