2016年6月26日日曜日

フィンランド語の挨拶「モイ」の語源は?

フィンランド語の挨拶といえば「Moi」。このほかにも「Moikka」、「Moro」、「Morjens」など様々に音を変化させ挨拶に使っていますが、そもそもこの言葉はどこから来たのでしょうか?

「Moi」の起源については二つの説が一般的なようです。

一説によれば、北ドイツ、ハンブルグでは「Morgen」(朝)がその地方の方言では、発音が「Moin」(モイン)に聞こえ、そこからフィンランドに貿易に来た人たちから伝わったそう。北ドイツではこの本来は「おはよう」という意味の「Morgen」を一日のいつでも使っていたそうで、「Moin dag」が「良い日」という意味に。そこから転じてオランダでは「mooi」(モーイ)が「きれい」という意味になり今でも使われており、スウェーデン語でも「Moj」(モイ)は同じく「きれい」という形容詞で使われています。

もう一つの説では、スウェーデン語の朝の挨拶「God morgon」(ぐ・もろん)から「Moro」(今でもタンペレでは「Moi」よりも「Moro」を使う場合が多い)になり、そこから転じて「Moi」になったんだとか。つまり、前述の説ではフィンランドに入ってきた時点で言葉の意味は「朝の挨拶」ではなく「何時でも使える挨拶」だったわけですが、こちらの説ではフィンランドに入ってきた「朝の挨拶」の言葉がフィンランドで「何時でも使える挨拶」へと意味を変えたというわけ。

これらの説を裏付けるものとして、「Moi」はもともとはフィンランドの港町の言葉遣いに多く、中央フィンランドでは「Moi」という言葉は使われなかったことが挙げられます。両方から伝わった可能性もありますが、どちらにせよこれらの説からすれば、フィンランド語の「Moi」はゲルマン系の語源を持った言葉のようです。

なお、「Moi」を二つつなげ、「Moi moi」などとして別れの挨拶として使うのはフィンランドだけのようです。


[via Kotimaisten kielten keskus / フィンランド国語センター]

(abcxyz)

2016年6月9日木曜日

汚職が低いはずのフィンランドのトンデモ文部大臣。教育節約のGrahn-Laasonenが委員会を通さず運動施設に巨額出資

Sanni Grahn-Laasonen文部大臣(Kokoomus/国民連合党)は、大学からお金を節約させたことで悪名高い人物です。

そんな節約政治で有名なGrahn-Laasonenが、なんとスポーツ委員会を通すこともなく誰にも相談せずにTampereのスポーツホールを立てるお金として1800万ユーロの国の予算を使う決断を下しました。特別大臣権限(特別な理由があれば大臣が勝手にできる)だという理由ですが、実際に特別な理由は見当たらない…。

国のスポーツ委員会(スポーツ施設と支援の必要を判断する専門家を有する委員会)はTampereの施設は400万ユーロ程度の支援があれば作れるという判断を下していました。一方Tampereの市議会議員はTampereの負担を決め、政府からの支援がなくても(400万ユーロなしでも)建てれると決定していました。そんな中での1800万ユーロの出資。

なんでもGrahn-Laasonenが大臣になれたのは友達であるKokoomus党首で財務大臣のAlexander Stubb(「Hyvä veli」)のおかげ。一方でKokoomusの先輩たちは「こんなバカな人を大臣にすべきでなかった」とGrahn-Laasonenを抜擢したStubbを嫌っているよう。それもあってKokoomusの党首選挙ではStubbが落ちそう、でもStubbが落とされたら後ろ盾を失ったGrahn-Laasonenも大臣から落ちるかも…。そんなStubbの支援者はTampereのKokoomusにたくさんいるらしく、なのでTampereにお金を出したらStubbが選ばれてGrahn-Laasonenの首もつながるかも?という見方をフィンランドの夕刊紙Iltalehtiが報じています。

1500万を超えるスポーツ施設への出資は欧州委員会からの許可が必要。なので今年末には欧州委員会でこの出資が審議されるということ。ただ、今年末というのは党首選挙の後。なので「Tampereにはお金をだそうとした」という印象を植え付け選挙では成功しながらも、実際には欧州委員会により出資は止めさせられることを狙っているのではという憶測も。

[via Iltalehti]

(abcxyz)