2016年9月30日金曜日

フィンランドの若者向け小説「ルミッキ」三部作がハリウッドで映画化。その前にハリウッド映画化されたのは1954年の…?

サラ・シムッカ(Salla Simukka、だから日本語で書くと「サッラ」だと思うけど…)の若者向け北欧ミステリー、「ルミッキ」(Lumikki)三部作がハリウッドで映画化されるそうです。





因みに英語版は「Snow White」トリロジー。世界48か国で翻訳出版されているという人気のシリーズなので、映画化しても世界中で売れるとの判断でしょうか。話題を先取りしたい方は今のうちに読んでおくといいかも。

なお、これ以前にフィンランドの小説がハリウッドで映画化されたのはミカ・ワルタリ(Mika Waltarin、だから日本語で書くとヴァルタリンだと思うけど…)による「エジプト人」(Sinuhe egyptiläinen)。1954年にハリウッドで映画化され、日本でも翌年の55年に公開されています。監督はハンフリー・ボガート主演「カサブランカ」でアカデミー監督賞を受賞しているマイケル・カーティスです。








(abcxyz)

2016年9月24日土曜日

フィンランドでラスクを食べたくなったら?



別にラスクは日本特有の食べ物ではないですが、時々食べたくなるのが、カリッとした食感のパンの耳を揚げた甘いお菓子、ラスク。

それが食べたくなったらSokerikorppuを買いましょう。日本ではパンの耳とかパンの端っことかでできたものが多いですが、こちらは普通にパンのスライスに砂糖をつけて焼いたものです。

因みに写真はLeivon社のHerkkukorppu、砂糖だけでなくシナモンも入っているのでちょっとクリスマスっぽい味です。


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2016年9月19日月曜日

フィンランド最大のデザインの見本市Habitare。今年はちょっと活気がないかも?


今年も行ってきました、フィンランド最大のデザインの見本市、Habitare。でもなんだか今年は少し活気が少なかったような。私が訪れたのは一般も入場できる日でしたが、過去数年と比べ、出展者も来場者も日本人が少ないように見受けられました。






しかしそんな中でも目を惹いたのは、今年のHabitareで「MIELENKIINTOISIN TUOTE \ THE MOST INTERESTING STANDS」に選ばれた、
Harni-Takahashi Ltd.のYuka Takahashiさんによる「ADB&B multifunctional furniture」。選者はNew York Timesでデザインコラムを持つAlice Rawsthornさんです。アームチェアにもベッド/ベンチにもディヴァン(背もたれのない長椅子)にもなる可変式の家具です。




毎年おなじみ寝具の展示。




皆で輪になって座れるハンギングチェア。タイミングずらさないとひざぶつけちゃうんじゃないこれ…




あのロボットは、仏Aldebaran Robotics社のNAOかな?展示内容を確認すると「Maxwell CareのZoraロボット」とされているので、NAOをベースにしたロボットなのかも。




こちらはアート展示のコーナー。先日どこかの日本のサイトでも話題になっていたような気がする、ヘルシンキの電気屋さんVerkkokauppaの脇に立って(以前はマーケットスクエア付近にあった)立ち小便をしている巨大な子供の彫刻「Bad Bad Boy」で知られるアーティスト、Tommi Toijaの作品も。




こちらは、Katja Tukiainenの新作。彼女は2014年に東京のSpiral Art Spaceで「Boutique! —ファッションって何?アートと考える、その姿。」が行われた際に、元MarimekkoデザイナーのSamu-Jussi Koskiと共に「Girl Evacuees」という展示もしていました。





「Muotojen mestari Hiort af Ornäs」(造形の天才Hiort af Ornäs)としてフィンランドの家具デザイナーHiort af Ornäsが50年代に制作した椅子の展示を行っていました。





アンティークコーナーにはNaisten Automobiiliklubi(女性の車クラブ)とVehoniemen Automuseo(Vehoniemi車博物館、タンペレの方にある)によるレトロカーの展示も。展示付近にはNaisten Automobiiliklubiの方とみられる女性たちが立っていましたが、彼女たちのドレスがまた50,60年代っぽくて素敵でした。





アンティークコーナーは相変わらずの充実具合。

でもそれとは対照に(写真は撮っていませんが)手作りのデザイン品や小物品などを販売するコーナーは寂しかったです。期待していたPolkka Jamも見当たらず、目に付くのは海外(フィンランド外)の通信販売みたいな商品ばかり。もしかしたらデザイン関係者ではない一般来場者向けにフィンランド国内では目にすることの少ないデザイン品を展示するところに注力しているのかもしれませんが、毎年かなりの場所を取って同じ製品しか出していない(イタリアかどっかの野菜すりおろし皿を売ってるとことか)ところばかり目について残念。フィンランドのレトロなハガキやポスターを販売しているところもありましたが、Cafe Jugendに行けば買えるものばかりだし。フィンランドのデザイン見本市内に存在しながらも、デザインとしてもわざわざここに出す意味が見当たらないものばかりあっては意味がないし、お土産屋さん的なものを売りたいならデザイン博物館で売ってればいいのに、と思わざるを得ませんでした。





ことしのHabitare例年に比べはちょっと元気がない感じを受けましたが、今年は若手デザイナーの出展コーナーが広めにとられていて注目が当たっているように思いました。




なお、Helsinki Design Weekとしてはこんな感じで、Stockmanの目の前にある観光名所「Kolmen sepän patsas」三人の鍛冶屋の像をバブル(中に入ることもできる)で覆ってしまう催しも。このせいで日本から観光に来た友達がこの像を見つけられませんでした。2014年にはマーケットスクエアにあるHavis Amandaの像のためのホテルとか言って日本人アーティストが閉じ込めて周りから見えなくしてたし。ヘルシンキ市は観光名所を隠すのが好きなようで、ヘルシンキに住んでる人には普段と違って面白いかもしれないけど、それを見に来ている観光客だって少なくないだろうに、解せないね。


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2016年9月18日日曜日

ヘルシンキビジターズ・ガイドが紹介しないミュールマキの暗い過去



フィンランドの首都ヘルシンキを旅行する際は、無料のヘルシンキビジターズ・ガイド「Hel Yeah!」を手に入れるといいでしょう。ヘルシンキ空港内のインフォ(動画1:18あたりに映っている棚)で手に入れることができます。




ヘルシンキの観光スポットを日本語で解説し、地図も入っている便利な冊子です。そんなビジターズ・ガイド2016年版の79ページには、ヘルシンキ市を少し離れてヴァンター市(空港のある地域)の観光スポットを紹介した「週末をヴァンターで」というページがあります。ページ内で目を惹くのはミュールマキ(Myyrmäki)のミューラル(英語でmural / 壁画)。「ニューヨーク」にかけて「ミュールヨーク」(Myyr York)なんて名前まで付けられています。




でもミュールマキはいったいどんなところなのでしょうか?フィンランド人に訊いてみました。

「ヘルシンキ中心よりも所得の低い人が多く住んでいて、もっと『本当のフィンランド』が見れるところ。中心とは違い家賃も安いし、ヴァンターなので中心行くにも時間もお金もかかるけど、ショッピングセンターもあるし…治安もそんなに良くなくて、15年位前には知り合いが二人別の時にロマたち**に襲われたけどね。」

*ヴァンターからヘルシンキの運賃
ヴァンターは電車の区間をまたぐため、動画9:07あたりを参照のこと

**Suomen romani(英語でもフィンランド語でも本当は「ロマニ」だが、日本語Wikipediaページでは「ロマ」表記):
元々流浪の民だったものがフィンランドに定着したもので、れっきとしたフィンランド人だが、フィンランド系フィンランド人とは異なる文化を持つ。男女ともに白黒の衣装を着用しており、女性のドレスは胴にフラフープが入っているかのような大きさ。たいてい複数人でたむろしており、チームワークで窃盗をしたり暴力を行ったりする一部のロマのせいで悪名が高くなっているが、ロマ内部からも「これはよくない」として改善しようという声も上がっているし、有名なロマの歌手やタンゴキングなども輩出している。偏見を持つのはよくないが、独特の文化や服装からひとくくりにされやすい傾向がある。私の周りにもロマに集団で暴力を振るわれたことのある友人が複数人存在する。日本では「ジプシー」と言ったら理解が早いかもしれないが、これは差別用語に当たるので使用しないように。(また、これとは別に中央駅周辺にたむろし小銭をせびるRomanian romaniもいるが、こちらは最近になってルーマニアからフィンランドに来たロマであり、上記のような白黒の衣装は着ていない。ほかにもブルガリやなど東ヨーロッパからロマも来ている。それらの国々ではロマへの差別が激しく、フィンランドのロマとは違い学校に行ったりなど基本的な人権がないためフィンランドに逃げてきたものとされる。ただ、小銭をせびるロマは人身売買されたもので、元締めが居て集めた小銭を取られるという説もある。)




ショッピングセンターは「Myyrmanni」というところでMyyrmäki駅から渡り廊下を通っていくことができますが、ここは2002年10月に爆弾事件/事故「Myyrmannin räjähdys」が起きたことでも悪名が高い場所です。これはMyyrmanniショッピングセンターの中央で起こり、爆弾を持っていた化学工学を学ぶ19歳の青年を含む7人が死亡、166人が負傷する大惨事となりました。この事件を引き起こした青年は日ごろから爆弾を作って森で爆破させたりしており、どうやら爆弾制作が趣味だったようですが、ショッピングセンターでの爆発に関しては特に犯行声明も遺書などもなく、これが意図的な爆発だったのか、それとも意図しない事故的な爆発だったのかはいまだに謎です。




また、これとは別に、同ショッピングセンターでは(上記の事件/事故とは無関係ではありますが)、事故現場の上は3階にわたる吹き抜けとなっており、時折飛び降り自殺や自殺未遂事件がおきているよう。(まあ、ヘルシンキ中心のショッピングセンターでは5階から地下1階までにわたる吹き抜けがあり、こちらでも時折飛び降りが起きるようですが。)

「10年ほど前はここはほんとに怖かった。まさにニューヨークの地下鉄みたいな雰囲気で、グラフィティだらけで麻薬の注射器の針が落ちてたり、暴れてる人がいたり、酔っぱらいが座ってたり、小便臭かったり…。たぶんヘルシンキ空港からの電車がここを通ることになったから、観光客も空港から中心までの区間の駅をみることになるので綺麗にしようと努力しているんじゃないか。」

今では駅とその周辺の壁がお洒落なグラフィティで覆われ、駅の1階部分には古いピアノが2台置かれて自由に弾けるし、アメリカ風(?)なダイナーもできています。



「いまではもうそう怖くはなくなったね」とのことですが、そんな不思議なミュールマキ。暗い過去を抱えながらも明るい未来を形作ろうと、未だ現在進行形で壁に絵が描かれていっています。勇気を出していってみるのもいいかもしれませんねー。




(abcxyz)

2016年9月17日土曜日

待ちに待ったフィンランド旅行!ヘルシンキ空港に着いてからどうすれば中心に行ける?電車でヘルシンキ中央駅まで移動する方法を動画で解説



ヘルシンキ空港(Helsinki-Vantaa lentoasema)に到着して、入国審査を済ませ荷物を受け取り出てきたところから、どうすれば電車を使ってヘルシンキ中央駅(Rautatieasema)に行くことができるのかを、実際に空港内を歩き空港の電車駅から電車に乗り込み解説しています。初めてのフィンランド旅行が不安な方は是非参考にしてくださいね。

So you just arrived to Helsinki-Vantaa Airport, and want to go to Helsinki Central Railway Station. This video is showing how to head to the airport's new railway station.





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2016年9月15日木曜日

päämaja パーマ屋?

päämaja (パーまや) ― 「パーマ屋」 じゃなくて 「ヘッドクオーター / (組織の)本局」!

「ヘッドクオーター」とか「(組織の)本局」という意味です。

「päämaja」は「pää」と「maja」で作られている言葉。「pää」は「頭」という意味で、「maja」だけだと「小屋」、家ではなく一時的に泊まれるところです。

「maja」は例えば子供が木の枝で作るような秘密基地みたいなところもそう呼ぶことができるほか、「majatalo」だと「旅館」(みたいなもの、ホテルより安くちゃんとしていない)。「majapaikka」では「泊まるところ」といった意味になります。また、「majakka」は「灯台」という意味になります。

しかし「päämaja」では泊まるところという意味はなく、「ヘッドクオーター」という意味合いに。


Japanese:ぱーまや paamaya
・パーマ屋(perm shop / beauty salon)

pää (head) + maja (hut)
Finnish:Headquarters (noun)